旅行業に転職する際には有利

旅行業務取扱管理者という資格をご存じでしょうか。 この資格は、国内と総合の二種類があり、国内旅行のみを取り扱う旅行代理店においては国内旅行業務取扱管理者、海外旅行も取り扱う旅行代理店においては総合旅行業務取扱管理者を持った人間が、必ず一名以上在籍することが求められる、国家資格です。

私がこの資格の存在を知ったのは、専門学校入学後です。 私が受けたい企業では、社員への取得を推奨していると聞き、この資格を取得することにしました。 私の専門学校では、一年生で国内を受検し、二年生では国内に合格した人が総合を、不合格だった人は国内に再チャレンジをするという仕組みでした。 しかし、私たちの担任の先生がダブル受検を勧めてくださって、クラスで七名がダブル受検に挑戦することになりました。

受検科目は、国内が旅行業法、旅行業約款、国内旅行実務の三科目で、総合(私の受検時には一般)ではここに海外旅行実務がプラスされます。 学園の中でも初めての試みだったため、それまででは異例の学習形態がとられました。 共通科目は全員で一斉に授業を受けるのですか、旅行業実務だけは一年生と二年生をシャッフルし、その年の受検に対応できるようにしてくださいました。

また、放課後や夏休みも返上で担任の先生が補講を行ってくださり、それまでの人生で一番勉強をした時間になりました。 旅行業法や旅行業約款は、勉強していた当時はとにかく覚えなければならない面倒なもの、といった印象でしたが、実際に働いてみるとキャンセル料の規定など、覚えておいて役に立った部分はかなり多くありました。 また、実務分野では、運賃計算などにかなり苦しめられましたが、こちらも働いてみてからかなり助けられました。 実務の中でも英語分野に関しては幅が広すぎるので捨てても良いと言われましたが、今思えばそちらもがんばって勉強すればよかったかな、とも思っています。

試験は、四月に入学して九月に国内、十月に総合と一年に一度、立て続けにやってきます。 総合に向けて勉強していた我々七名は、国内は難なくパスしました。 総合は当時の合格率は四パーセント程度と聞かされていましたが、勉強の甲斐あって六名が合格しました。 ちなみに残りの一名も次の年には合格しました。

この資格を持ちながら就職活動にのぞんだ私でしたが、希望の企業には内定をもらうことができず、全く別の業界に就職しました。 そして、四年ほど仕事をしたある日、当時の希望していた企業の旅行業部門での求人が出ていたのです。 応募資格の中に、旅行業務取扱管理者資格を有することとあり、応募することにしました。 そして、ついに内定をいただくことができたのです。 転職後、研修期間に入りましたが、ほとんどが旅行業経験者ばかりという中で、全く経験の無い私は実務面ではかなり遅れをとりました。

しかし、先述した運賃計算や旅行業法、約款関係の知識を持っていたおかげで、スムーズに研修内容が頭に入ってきました。 端末で自動計算をすることに慣れていたみんなからすると、時刻表を片手に手計算をするのはかなり難問だったようで、みんなに計算方法を伝えたりしているうちに最初は感じていた未経験者というハンデも気にならないようになりました。 また、学生時代に業法にしても約款にしても背景や実際の現場であったできごとを絡めて教えていただいていたので、研修中はまるでそれをおさらいしているかのようでした。 研修中に何度か行われる試験にも無事に合格して、晴れてカウンターに立つことができました。

資格は、取ったその時だけの知識と最初は考えていましたが、実際にそれを活かせる仕事に就くことで、実力を発揮するものなのだと改めて感じたのでした。 現在は出産と育児を経て、また転職活動を行っていますが、資格取得で培った知識を活かせるようにがんばりたいです。